長崎の新築・デザイナーズ住宅|シンプルノート佐世保・大村スタジオ
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大丈夫?全て要望通りの家づくり(耐震性から考える)

      

令和6年能登半島地震により被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

長崎県は、比較的地震リスクの少ない土地と言われていますが、未知の活断層により引き起こされる大地震の可能性も叫ばれている昨今、決して他人事として楽観視することはできません。

いつどこで起こるかわからない地震に備えて、津波のリスクがない土地を選び、地震の揺れから身を守る耐震構造である家づくりをしたいというのが、これから家づくりを始めようとする皆様に共通した大切な要望だと思います。

 

耐震等級3を取得することや、制震ダンパーを設置することが地震に強い家づくりを行う上で一番大切なことと思われがちですが、それ以上に大切なことがバランスのいい家をつくることだと思います。

耐震等級や制震ダンパーももちろん大切ですが、それよりもバランスのいい構造に設計すべきなのです。

 

家のバランスが悪くなる一番の理由は、「二階建てありき」の間取りにあります。

「二階建てありき」の間取りがなぜよくないのかというと、一つは一階二階の上下のバランスの悪さ、もう一つは南北のバランスの悪さにあります。

 

まず、上下のバランスが悪くなる理由は、一階に大空間のLDKを設けるのに対して、二階は子供部屋など細かく区切った個室をつくってしまいがちな為、一階への負荷が大きくなってしまうからです。さらに大空間のLDKにはなるべくたくさんの採光を確保しようとする為、より大きくて多くの窓を設けようとすることによりさらにバランスが悪くなります。

 

そして、南北のバランスが悪くなる理由は、南側に大きくて多くの窓を設けようとする反面、北側にほとんど窓を設けないからです。その上、南側に突き出してベランダをつくってしまいます。

 

その結果、二階建ての家はバランスが悪くなりがちで、それを補うべく耐震等級3の計算をしてさらに耐震ダンパーをつけなくてはならなくなるということです。

 

 

「二階建てありき」の間取りが家のバランスを悪くするということであれば、対応策としてまずは平屋を検討していくこととなります。

昨今平屋の需要が非常に高まっていますが、平屋は耐震構造の面においてもとても優れています。

平屋にすれば当然、上からの負荷がかなり小さくなり、重心が低くなることで地震で生じる揺れが大幅に軽減されます。

※二階建ての家のすべてが耐震性能が低いと言っている訳ではありません。平屋にしたほうがコストをかけずに耐震性能を上げやすいというお話しです。

 

これで上下のバランスの悪さは解消されますが、南北のバランスの悪さはどうでしょう?

 

南北のバランスの悪さを解消することはそう簡単ではありません。基本的にお客様の要望を全て聞き入れた間取りで作った家は、高確率でバランスの悪い家となります。大抵のお客様は建築に関して素人であるので当然といえば当然です。

お客様が要望するバランスが悪い間取りを、勇気をもって聞き入れないことも、われわれ建築のプロができることの一つです。

お客様の要望を聞き入れれば聞き入れるほど、お客様にとって一番の要望であろう家族の安全(耐震性)がおざなりになってしまう可能性があります。また、聞き出した要望がその土地にマッチしていないことも多々あります。部屋の配置や動線などは、建築する土地によってベストな形が全く変わってきます。

 

全ての要望を聞き入れてくれて、要望通りの間取りの提案してくれる住宅会社との商談はなんとも気持ちいいものかもしれませんが、心からお客様のためを思い、要所で要望を聞き入れてくれないこともあるくらいの住宅会社を頼ったほうが、結果的にはいい家づくりになると思います。

 

 

 

 

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