廊下について考える
シンプルノートではなるべく廊下はつくらないというコンセプトで設計を行っていきます。
というのも、廊下はただ通るだけの役割しか持たないのに、つくるためには居室や収納と同じだけのコストがかかります。
さらに言うと、廊下をつくることで、家の機能を低下させることにつながってしまうことがあります。
まず機能低下の1つ目としてあげられるのが、「断熱性・気密性」の問題です。
とはいっても、廊下があるから「断熱性・気密性」が下がるというわけではなく、廊下があることで「断熱性・気密性」の持つ本来の良さを消してしまうということです。
「断熱性・気密性」を上げる本質的な目的は、家の外の空気と中の空気を遮断し家中どこにいても暖かい(又は涼しい)という空間をつくることにあります。
ところが、廊下というものはドアを閉め切ったあったかい部屋からの空気の流れが遮断され、外気温に近い温度になってしまいがちです。
廊下と同じことが言えるのが上り下りすることだけが使用目的となってしまう階段です。
リビング階段が主流となった現在、暖房の効いてない二階からの冷たい空気が階段を伝わって降りてきますからね。
そういうわけで、廊下も階段も極力つくらないようにしたいわけです。
そうすれば、コストも安くなり体積も小さくなることで断熱効果も上がるわけです。
廊下がもたらす家の機能低下をもう一つあげるとしたら、「収納性能」です。
例えば、収納をつくるために3帖分のスペースを確保するも、収納スペースへの動線が廊下である場合には、3帖のうち半分の1.5帖は廊下として使用しなくてはなりません。
また、廊下にも照明・スイッチ、ドア等が必要となります。
「闇雲に通り抜けの動線をつくる」「必要性の低い2階をつくる」の2点には注意して家づくりを行っていきたいですね。